ドライエイジングビーフ(熟成肉)について

  1. ドライエイジングという新たな熟成方法

    ドライエイジングとは、専用の熟成庫で温度や湿度、風、微生物を厳密に管理し、30日以上もの長い時間をかけて、ゆっくりと肉を熟成させていく方法です。この熟成方法は今までと比べ、より肉が持つ旨さを引き出すことを可能にしました。

    ちなみに、この方法で熟成させた牛肉のことはドライエイジングビーフと呼ばれており、今までのものと差別化されています。さらに当店では完熟牛と呼ばせていただき、お客様にご提供しております。

  2. 風で乾燥させながら熟成させることで味を凝縮

    ドライエイジングビーフの肉質

    牛肉は熟成が進むと、肉自体が持つ酵素の働きによって肉質が柔らかく変化するのと同時に、タンパク質が分解されて、旨み成分のアミノ酸が増してゆきます。

    ドライエイジングではこれに加え、風を送り空気を循環させることで水分を飛ばし、肉の表面をカラカラに乾燥させていきます。このことで、旨みだけが内側にぎゅっと凝縮された風味豊かな牛肉ができあがります。

  3. 凝縮は肉の大きさも

    製造設備

    ドライエイジングビーフは旨みが凝縮するのと同時に肉のサイズも凝縮しています。これは乾燥によって水分が減ることと、カラカラになった表面を削り落とすためです。

    牛一頭あたりの販売できる量は従来の牛肉を100%とすると、ドライエイジングビーフは60~65%にもなり、ロスが多くなります。もっと分かりやすく表すと、ドライエージングビーフ100gを作り出すのに、約170gもの牛肉を凝縮させなければいけません。

    また、熟成期間や設備のランニングコストも考えると非常に手間がかかる貴重な牛肉といえるでしょう。

  4. 研究から2年半の月日をかけて製品化

    製造設備

    肉匠もりやすでは情報収集した後、専用の設備を整え、視察したニューヨークで行っている昔ながらの方法で、風を当てるところから始めました。

    当初は気候が違うせいかコツが全くつかめず、リブロースの内側にかびが入るなどの失敗を繰り返し、25本以上の枝肉をロスをしてしまいました。

    しかし、この失敗があってこその成功。研究を積み重ねて2年半。日本の気候、和牛の肉質にあった設備や方法ができあがり、ようやく皆様にお届けできる満足な肉質、味、香りをもつ牛肉が安定してお届けできるようになりました。

  5. 適した料理

    ステーキや焼肉などの焼く料理に適しています。ステーキなら2~3cm、焼肉用でも厚切りにされたものの方が美味しくいただけます。

  6. ちなみに

    ドライエイジングで豚肉を熟成させてみましたが、パサつくだけで、鶏肉は旨みが出るほどではありませんでした。ラム肉は独特の臭みが抜けて、味が上品に仕上がりました。