職人の包丁

  1. 牛肉で仕事をするときに最も使う道具

    職人が牛肉を切る時には、料理に合った厚さに切ることをまず考えます。部位の中でも柔らかいところはできるだけ厚めに(しゃぶしゃぶ用は別)、硬い肉は薄めにといったようにです。

    そして、仕事中切るのに長い時間、向かい合うことになるのが包丁です。

  2. 切れる包丁を使うということは鮮度を保つということ

    牛肉の場合、切れる包丁を使うと、ほんの少し力を入れるだけで、スッっと入って行き、手で切っているということを全く感じさせません。

    また、すばやく各部位を最適な厚さに切り分けられるため、肉を触る時間が少なくなり、鮮度を保つことができます。結果として料理の味にも差が出てくることになります。

  3. 実は包丁をこまめに研ぐ職人は少ない

    日本で本当に包丁が切れるものを使っている職人はまだまだ少なく、全体の2%いるかどうかだと思います。

    中には年に4,5回ぐらいしか研がないというところも過去見てきたところにはありました。包丁を長い期間研がないと、職人も研ぎ方を忘れていってしまいます。実際使ってみましたが、あきれるほど切れませんでした。

  4. 職人は「研ぐ」という積み重ね

    肉匠もりやすでは牛肉を切るのために、全神経を使って包丁を研ぎ、メンテナンスを怠らないようにしています。

    過去、店長の森安は、捌き用のナイフを3時間で1/3減るぐらい、研いだことがあります。また、常に切れる包丁を用意しておくために、すじひき包丁だけでも25本持っています。